【私の移住×仕事】episode③～車さえあれば日常生活は都会とそれほど変わらない。価値観に合った移住暮らしはストレスフリーです。

「私たち家族の価値観に、 こちらでの暮らしが合っていたんでしょうね。 移住後はストレスフリーで暮らしやすいです。 」

そう話すのはご家族で東京都から東御市へ移住されたKさん。

ご結婚され、 お子様が誕生されると、 どこへ行っても人が多すぎることや、 お子様が自然と触れ合える遊び場が少ないこと、 住居費や物価が高いことや今後の震災や感染症流行の恐れなど、 都会での暮らしに不満や不安な気持ちが大きくなってきたそう。

ご夫婦でいずれはマイホームを… と考えた時に、 その不満や不安を解消するべく都会とは逆の生活環境を求めて移住を考え始めました。

ご実家や都心へのアクセスの良さ、 そして晴天率が高くカラッとした気候に魅力を感じて、 移住先は東信エリアに決定。

Kさんの前職は全国転勤のある公務員のお仕事だったため、 転職はせずに長野県への異動を希望しました。 移住希望地も決まり早く移住したい気持ちが高まる一方、 なかなか異動の希望は叶わず、 やきもきしていたそう。 何年か異動の希望を出し続けましたが叶わず、 今後長く勤めていくことを考えると課題や不安もあった前職を退職する決意を固めたKさん。 いよいよ移住するための転職活動をスタートさせます。

情報の少なさが不安につながり、積極的になれず…

一般的な求人サイトや長野県の求人サイトを閲覧したり、 銀座NAGANOや移住イベントに出向いて人事担当者や現地の職員の方から話を聞いたりしながら情報収集を進めました。

移住に伴う仕事探しにあたって苦労されたのはどんなことでしたか？

「情報の少なさですね。 情報が少なく分からないからこそ、 文化や社風など地方の企業に就職することへの不安が大きかったです。 どんな企業なのか、 実はいわゆる “ブラック企業” なのではないか… など、 考え始めると悪い方に考えがちになり、 なかなか行動に踏み切れませんでした。 」

前職は公務員だったため、 経験のない民間企業への就職というのも不安があったそうです。

最終的には、 上田市の移住相談窓口で紹介された就職サポート会社に登録。 地元密着型で地域の企業情報に精通した会社ということで、 安心して任せられたといいます。

“今までの職歴が生かせる仕事” という観点から、 総務・法務関係を中心に仕事の紹介を依頼しました。 仕事を選ぶうえで譲れないポイントは、 残業が少ないことと最低限の条件面。

本格的に転職活動を始めてから4か月ほど、 現在お勤めになっている企業から内定をもらうことができました。

最終的にその会社に就職を決めた “決め手” はどんなことだったのでしょうか？

「特定の分野で国内トップのシェアをもっている企業としての安定感と、 面接時にお会いした 社長はじめ役員、 人事担当者の方の人柄。 移住者の社員が多いことや、 中途採用でも勤務実績によって社内できちんと評価され活躍できると、 面接時に言っていただけたことも好印象でした。 」

ついに移住後の転職先も決まり、 移住実現に向けて大きく前進したKさん。

これで本当に移住が叶う！という嬉しい気持ちの半面、 Kさんにとって初めての転職だったので、本当にこの企業で良かったのか… という不安な気持ちもあったそうです。

不安だった初めての転職

入社後、 生産現場での研修を経て現在は総務課に勤務しているKさん。 派遣社員の労務管理や就業規則の整備などを担当されています。 総務課の業務内容は幅広く、 今後覚えていかねばならない仕事も多いそうですが、 とても前向きに取り組んでいらっしゃるようですね！

「同僚や上司の方はどなたも優しく丁寧に指導してくれますし、 気にかけてくれます。 『優しく丁寧に指導してくれます』 というインタビュー記事などを見ても 『記事だからそう書いてあるけど実際はどうだか…』 とか疑ってしまう私ですが（笑）、 本当に皆さん優しくて安心しました。 」

Kさんの就職先には他県から移住されてきた方や中途採用の方も多く、 移住者だから、 中途採用だからと職場に馴染めないということは一切ないそう。 地元の言葉や文化など分からないことはいろいろと教えていただいて、 良い関係を築いていらっしゃるようです。

また、 マイカー通勤が最高なんだとか！

「移住前の通勤時間は電車で60分ほど。 車の運転は好きですし、 通勤路の風景がきれいで20分の通勤時間はあっという間ですね。 」

家族全員が納得の移住暮らし

移住を考え始めてから4年ほどの月日をかけて実現した移住暮らし、 いかがでしょう？

「自然も空の表情も豊かで、 見ていて飽きないですし癒されます。 」

日常生活は車さえあれば不自由なことはなく、 今のところ大満足だそう。

ゴミ捨ての厳しさには少し驚いたそうですが、 方言が分からず困ることもほとんどなく不便なく生活できているとのこと。 近所に住んでいる同じ移住者のご家族と知り合い、 交流を楽しんでいるそうですよ。

奥様も「日常生活を送るうえでの利便性など、良い意味で都会の暮らしとほとんど変わらないので、 これなら都会で暮らす必要性が見い出せず移住して良かった」と話されているそう。

息子さんは移住して初めての夏、 たくさん水遊びをして、 虫や植物にたくさん触れ、 移住前に比べて真っ黒に日焼けして楽しそうなんだとか。

お写真からも自然遊びを楽しんでいる様子が伝わります。 いいですね！

移住して一番変わったことを尋ねると…

「車を毎日運転するようになったことですね。 あとは窓から見える景色と、 子どもを連れて遊びに行く場所。 それ以外は良い意味で変わりません。 」

移住前、 お子様を連れて遊びに行くのは街中の小さな公園やショッピングモールでしたが、 今では東御中央公園や上田市市民の森公園など自然豊かな大きな公園に行くことが増えたそうですよ。 気軽に行ける温泉もたくさんある上田エリア、 Kさんご家族はご飯が美味しい地蔵温泉 十福の湯もお気に入りなんだそう。 公園で思いっきり遊んだ後に、 日帰り温泉でひと風呂浴びて美味しいご飯、 最高の休日ですね！

今後、 お子様がもう少し大きくなったら家族でキャンプやハイキング等のアウトドアや、 野菜作りにも挑戦したいとのこと。 また、 いずれは豪邸（東京ではなかなか難しい広いお庭付きのマイホーム）も建てたい！と話すKさん。

これからの移住暮らしも楽しみがいっぱいですね。

情報をどこまで現実の生活に落とし込んでイメージできるかがカギ

Kさんにとって移住・転職とは？と質問してみると…

「自分たちがどう生きていきたいかを選択すること。

首都圏などで暮らすことを自分で選択し、心から楽しんでいる人はもちろん無理に移住する必要はないと思うんです。ただ、何となく惰性で都会に生きていて、それがどこかひっかかっている人にとっては『移住・転職』は選択肢の一つとして考えてみても良いと思いますね。」

今はテレワークやフリーランスでの働き方が普及し、移住前の仕事を続けながら移住するということも選択肢の一つになってきています。また全国転勤が可能なお仕事であれば、異動の希望を出して転職せずに移住を実現できるケースもあるかもしれません。

しかしKさんがそうであったように、移住とともに転職先を探す必要がある場合が多いのが実際です。

移住を成功させるために必要なことはどんなことでしょう？

「仕事がネックになる場合は転職活動がスムーズにできるかどうか、そして暮らしの中で何を優先したいかしっかり見極め、家族全員の同意が得られていることが大事ですよね。」

さらには「でも、それは雑誌やインターネット上の移住関連記事にもよく書かれているんですよね。大切なのは、それをただ読んで頭で理解するだけでなく、移住によって変化する部分を、家族みんなが現実の生活に落とし込んで想像することができるかどうか」とも。

全ての事柄は表裏一体。素敵な側面だけ取るのは無理で、良い面があれば必ずそれと引き換えに我慢しなければならないことがある、キラキラしたことばかりじゃないのはどこに住んでいても同じです。

だからこそKさんは事前のリサーチが大切だといいます。リサーチし我慢しなければならない側面もあらかじめ家族と共有することが、移住後の「こんなはずじゃなかった…」を回避するために有効な手段であることは間違いなさそうです。